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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和57年(ネ)66号 判決

主文

一  原判決中、第一審原告石川百合、同石川環、同石川しのぶに関する部分を次のとおり変更する。

1  第一審被告は、第一審原告石川百合に対し、金五六一万七二七九円及び内金五一一万七二七九円に対する昭和五〇年五月二九日から、内金五〇万円に対する昭和五七年一月三〇日から各支払ずみまで年五分の割合による金員を、第一審原告石川環に対し、金一一一万四八四二円及び内金一〇一万四八四二円に対する昭和五〇年五月二九日から、内金一〇万円に対する昭和五七年一月三〇日から各支払ずみまで年五分の割合による金員を、第一審原告石川しのぶに対し、金三四三万七七六四円及び内金三一三万七七六四円に対する昭和五〇年五月二九日から、内金三〇万円に対する昭和五七年一月三〇日から各支払ずみまで年五分の割合による金員をそれぞれ支払え。

2  右第一審原告らのその余の請求を棄却する。

二  第一審被告の第一審原告石川宗之、同石川百合、同石川環に対する本件控訴を棄却する。

三  訴訟費用は、第一審原告石川百合、同石川環、同石川しのぶと第一審被告との間に生じた分は、第一、二審を通じこれを一〇分し、その三を右第一審原告らの、その余を第一審被告の負担とし、第一審原告石川宗之に対する控訴費用は第一審被告の負担とする。

四  この判決は第一項1に限り仮に執行することができる。

五  第一審被告が、第一審原告石川百合については金一八〇万円、第一審原告石川環については金三五万円、第一審原告石川しのぶについては金一一〇万円、第一審原告石川宗之については金二〇万円の担保を供するときは、前項及び原判決主文第一項1の仮執行を免れることができる。

事実

一  第一審被告は、第六六号事件につき「原判決中、第一審被告敗訴部分を取消す。第一審原告らの請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも第一審原告らの負担とする。」との判決を、第一一九号事件につき「本件附帯控訴を棄却する。附帯控訴費用は第一審原告石川百合、同石川環の負担とする。」との判決を求め、第一審原告らは第六六号事件につき「本件控訴を棄却する。控訴費用は第一審被告の負担とする。」との判決を、第一審原告石川百合、同石川環は第一一九号事件につき「原判決中、右原告らに関する部分を次のとおり変更する。第一審被告は、第一審原告石川百合に対し、金六一六万七二七九円及び内金五六一万七二七九円に対する昭和五〇年五月二九日から、内金五五万円に対する昭和五七年一月三〇日から各支払ずみまで年五分の割合による金員を、第一審原告石川環に対し主文第一項1記載の同原告に関する部分の金員をそれぞれ支払え。」との判決を求めた。

二  当事者双方の主張及び証拠関係は次のとおり付加訂正するほか原判決事実摘示と同じであるからこれを引用する。

1  原判決一四枚目裏末行の次に行を改め「(7)休業損害 金五五万〇〇二四円 原告百合は本件事故により昭和五〇年五月三〇日から同年一〇月一〇日まで入院を余儀なくされ、この間家事及び夫宗之の経営する前記酒等販売業の手伝いを休業した。よつて原告百合はこの間の休業損害として、同原告と同年齢の女子の同年度平均収入(月額九万七六〇〇円の一二か月分に三二万七〇〇〇円の賞与を加えた合計金一四九万八二〇〇円)の一三四日分金五五万〇〇二四円の損害を蒙つた。」を加え、同一五枚目表一行目の「(7)」を「(8)」と訂正する。

2  同一六枚目表五行目の次に行を改め「(6)休業損害 金一二万九〇七〇円 原告環は本件事故により昭和五〇年五月三〇日から同年七月一日まで入院を余儀なくされ、この間家事及び父宗之の経営する前記酒等販売業の手伝いを休業した。よつて原告環はこの間の休業損害として、同原告と同年齢の女子の同年度平均収入(月額九万一二〇〇円の一二か月分に三三万三二〇〇円の賞与を加えた合計金一四二万七六〇〇円)の三三日分金一二万九〇七〇円の損害を蒙つた。」を加え、同表六行目の「(6)」を「(7)」と訂正する。

3  同一八枚目表七行目の「金六七二万三四一五円」を「金七二七万三四三九円のうち金六一六万七二七九円」と、同七行目から八行目にかけての「内金六一二万三四一五円」を「内金五六一万七二七九円」と、同表九行目の「内金六〇万円」を「内金五五万円(弁護士費用)」とそれぞれ訂正する。

4  同一八枚目裏一行目の「金一三四万二七一七円」を「金一四七万一七八八円のうち金一一一万四八四二円」と、同一行目から二行目にかけての「内金一二二万二七一七円」を「内金一〇一万四八四二円」と、同裏三行目の「内金一二万円」を「内金一〇万円(弁護士費用)」とそれぞれ訂正する。

5  同三〇枚目裏一〇行目の「(7)」を「(8)」と、三一枚目表一行目の「(6)」を「(7)」とそれぞれ訂正する。

理由

一  第一審原告らの本訴請求についての当裁判所の認定判断は次のとおり付加訂正するほか原判決の理由(原判決三三枚目表二行目から五二枚目裏一〇行目まで)と同じであるからこれを引用する。

1  原判決四七枚目裏六行目の次に行を改め「(七)休業損害 金五五万〇〇二四円 前記認定事実によれば、原告百合は本件事故により昭和五〇年五月三〇日から同年一〇月一〇日まで入院を余儀なくされ、この間家事及び前記酒等販売業の手伝いができなかつたことが認められるところ、昭和五〇年度賃金センサス第一巻第一表によれば、産業計、企業規模計、学歴計女子労働者(五〇―五四歳)の同年度の年間平均収入は平均月額きまつて支給される現金給与額九万七六〇〇円の一二か月分に年間賞与その他の特別給与額三二万七〇〇〇円を合計した金一四九万八二〇〇円であるから、同原告は前記休業により右年間平均収入の一三四日分金五五万〇〇二四円の損害を蒙つたものというべきである。」を加え、同裏七行目の「(七)」を「(八)」と訂正する。

2  同五〇枚目表四行目の次に行を改め「(六)休業損害 金一二万九〇七〇円 前記認定事実によれば、原告環は本件事故により昭和五〇年五月三〇日から同年七月一日まで入院を余儀なくされ、この間家事及び前記酒等販売業の手伝いができなかつたことが認められるところ、昭和五〇年度賃金センサス第一巻第一表によれば、産業計、企業規模計、学歴計女子労働者(二五―二九歳)の同年度の年間平均収入は平均月額きまつて支給される現金給与額九万一二〇〇円の一二か月分に年間賞与その他の特別給与額三三万三二〇〇円を合計した金一四二万七六〇〇円であるから、同原告は前記休業により右年間平均収入の三三日分金一二万九〇七〇円の損害を蒙つたものというべきである。」を加え、同表五行目の「(六)」を「(七)」と訂正する。

3  同五〇枚目表九行目及び同五一枚目表一行目から表二行目にかけての各「金六八万〇七一八円」をそれぞれ「金五五万五七一八円」と訂正する。

4  同五二枚目裏八行目の「金四五万円」を「金五〇万円」と訂正する。

二  以上の認定判断によれば、第一審原告らの本訴請求は、第一審被告に対し、第一審原告石川宗之において、金五三万八八〇〇円及び内金四八万八八〇〇円に対する本件不法行為の日である昭和五〇年五月二九日から、内金五万円に対する原審における本件口頭弁論終結の日の翌日であること記録上明らかな昭和五七年一月三〇日から各支払ずみまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を、第一審原告石川百合において、金五六一万七二七九円及び内金五一一万七二七九円に対する右昭和五〇年五月二九日から、内金五〇万円に対する右昭和五七年一月三〇日から各支払ずみまで右同率の遅延損害金の支払を、第一審原告石川環において、金一一一万四八四二円及び内金一〇一万四八四二円に対する右昭和五〇年五月二九日から、内金一〇万円に対する右昭和五七年一月三〇日から各支払ずみまで右同率の遅延損害金の支払を、第一審原告石川しのぶにおいて金三四三万七七六四円及び内金三一三万七七六四円に対する右昭和五〇年五月二九日から、内金三〇万円に対する右昭和五七年一月三〇日から各支払ずみまで右同率の遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容すべく、その余の請求は失当であるから棄却すべきである。

三  よつて第一審被告の控訴に基づき原判決中、第一審原告石川しのぶに関する部分を、第一審原告石川百合、同石川環の附帯控訴に基づき原判決中、同原告らに関する部分を、それぞれ主文第一項記載のとおり変更し、第一審被告の第一審原告石川しのぶを除くその余の第一審原告らに対する本件控訴を棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条、九二条本文、第九三条第一項、九五条、九六条を、仮執行の宣言につき同法一九六条一項を、仮執行免脱につき同条三項をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 山内茂克 三浦伊佐雄 松村恒)

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